問題を起こす人

組織の中に、『問題を起こす人』が存在する時、その人を排除しても根本的解決には至りません。

その人がいなくなって しばらくすると、また次の『問題を起こす人』が現れるから不思議です。

『問題を起こす人』の共通点を見ていくと、解決のヒントが見えてきます。

M&Aで買収した事業の前社長との折り合いが悪いとクライアントからご相談いただきました。あの手この手を尽くしても改善せず、諦めモード。怒りを感じておられました。従業員も前社長への不満が爆発し、ヒアリングやフォローに追われました。

前社長が退任し、働きやすい環境も整い、平和が訪れたように見えましたが…

今度はトップを任せている担当者が孤立気味、従業員からの不満もあがってきました。

クライアントの経営者は、担当者の課題を話します。「人を纏める力が足りない。コミュニケーションが足りない。トップダウンはダメ。」

でも担当者の考え方や振る舞いを変えさせるのは、容易なことではないでしょう。

「自分のことしか変えられませんよ」とお伝えしたら、「えっ!?自分って…俺?」と驚いておられました。

前社長と担当者の共通点をピックアップしていただき、質問をしました。

「二人の『問題を起こす人』、腹が立つ、困っているとおっしゃってますけど、この方たちがいることでのメリットはありませんか?」

あ!!

『問題を起こす人』を敵と見なし、対抗することで従業員の結束力が高まっていたこと。前社長や担当者よりも、自分が愚痴を聴いてあげて頼られることが嬉しかったこと。前社長よりも自分のほうが優れた経営者だと優越感を得ていたこと。自分が対処に追われることで、社長はこんなに頑張っているとアピールできていること。他にもいろいろ…

気がついてクライアントは笑いだしました。問題だと思っていたことが、全部 自作自演だと腑に落ちたからです。

『問題を起こす人』=『敵』を作って纏まる組織は本当に目指している組織ではないですよね。

本当に取り組まないといけないのは、担当者を責めたり、変えようとしたり、従業員の不満に賛同して聞き入れることではなかったのです。

前社長や担当者は『敵』ではなく、補完してくれていた存在なんだと捉え方が変わりました。

『敵』がいなくなれば、『無敵』の経営者でいられます。心も穏やかで余裕もできます。

取り組むべきことが明確になり、笑顔でセッションを終えました。

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