『成長』したいという意欲

もっと成長するためには
もっと成長できるように
もっと成長したいから

クライアントが無意識に『成長』という言葉を何度も繰り返していました。

なんだか気になって、「どうしてそんなに成長したいんですか?」と質問しました。

すると、クライアントはハッとして、「父親を見返してやりたい」と答えました。

幼い頃の体験を思い出し、言葉を詰まらせ、涙しながら話してくれました。

お父さんに認めて欲しかった。
お父さんに褒めて欲しかった。

そんな思いが、「お父さんに認められるためには『成長』しなければならない」という思い込みを作り、「見返してやりたい」という張り合う気持ちを生んでいました。

そして、『成長』のない、ありのままの自分を認められずにいることにも気づきました。

だから無意識に、クライアントの選択が『成長』ありきになっていたんですね。

もちろん それがあったからこそ、いろんなことに努力してこれたし、頑張って今のところまでやってくることができたでしょう。

でも 強迫観念のように「成長しなければならない」を握りしめていると、いつも自分にダメ出しをし、煽って頑張って苦しくなります。自分の本当の気持ちよりも「お父さん(他者)に認めてもらえそうなこと」のために努力し続け、どんなに頑張っても、もっともっとの蟻地獄。人から褒められたり、成果を得た一瞬は満たされても、本当の意味で心が満たされることはないでしょう。

これでは自分の人生ではなく、お父さん(他者)のための人生になってしまいます。

『成長』って、しなきゃしなきゃと努力しなくても、生きていれば自然とするものじゃないですか?とお伝えしました。

『成長』したいという意欲、社会的には賞賛されることが多いですよね。これが巧妙な罠となって、自分の本当の願いや喜びとは違った方向へと努力させてしまうこともあります。

ここに気づいて腑に落ちたクライアント、ふっと力が抜けて 心が軽くなりました。これからはもっと自由に、純粋に楽しむ気持ちを大切にしていくと笑顔で話してくれました。きっと周りの従業員やお客様にも、良い影響を与えていくことでしょう。

関連記事

  1. 自分を病ませているのは、自分

  2. もう何年も泣いてなかったんです

  3. 心置きなく休めない

  4. なぜかいつもギリギリになってしまう

  5. 女性性のはき違え

  6. 「私は苦労してきたんだから、あなたも苦労しなさい」

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)