どうしても ぶつかってしまう

毎日 顔を合わす人、そして長く一緒に過ごす人との関係性が悪化すると、本当に憂鬱になります。

ましてや相手が家族だったりすると、遠慮がなくなります。

姉弟で事業承継し、弟が社長、姉が副社長。副社長であるお姉様からの定期セッションのご依頼を受けています。

社長である弟と、どうしてもぶつかってしまうのです。

セッションを始めたばかりの頃は、弟に対する罵詈雑言ばかりでした。本当は自分が社長になりたかったこと。弟が偉そうにしているのが腹立たしいこと。弟との経営手腕が認められないこと。本当は言いたいけど我慢していることなど、これまで何年もかけて溜まってきたものを全部 出してみていただきました。

「言えば喧嘩になるし、喧嘩になれば 弟の方が社長だから権力を使って上から押さえつけてくる…」

できることなら辞めてしまいたい。そんなことまで考えておられました。

セッションを重ね、感情を整理していくことで、段々と自己理解が深まっていきました。

弟と張り合っていたこと。自分が社長になりたいと思っていたけど、本当は違ったこと。弟を守ってあげたい気持ちがあったこと。弟が社長として前面に立ってくれることで、自分が守られていたこと。

それでも日常に戻ると、イラッとしたり、我慢することが出てきます。

「もう、会社にいる間だけ自分を殺してやり過ごすしかない」と、現状を受け入れながらも、半分 諦めていらっしゃいました。

私は諦めきれず、「でもそれは副社長の本来の姿ではありませんよね。どうして社長とこういう出来事が続くと思いますか?根本原因はなんだと思いますか?」

改めて『関係性』というところに目を向けていただきました。

『関係性』というのは、自分のせいでもなく、相手のせいでもなく、一緒に作っているものです。自分も相手も、その一端を担って、その場を作っているものです。

それを踏まえていただき、力関係や、見ている方向などを図式化していきました。そして、社長と自分の理想の関係性を描いていきました。

その後のセッションで嬉しいご報告をいただきました。「正直、こんな絵を描いてなんになるの?どんな効果があるの?」と思っていたけれど、不思議と社長との関係性が良好となり、子どもの頃のように冗談を言って笑い合う仲に戻ったそうなのです。

社長がイライラしていても、巻き込まれなくなって、微笑んで見ていられるようになった。副社長として、社長と従業員をサポートしていきたい。自分がこれから、どんなふうに会社に貢献していくか、そんなヴィジョンまでお話しできるようになりました。

今では毎日楽しく やりがいを感じながら会社で過ごし、新しいことにもチャレンジされています。

『関係性』は自分と相手と一緒に作っている。そんな視点を持っておくと気づきが促されます。

そして、見直しのポイントは「お互いにリラックスできているか?」です。

毎日 顔を合わす人、長く一緒に過ごす人と、お互いにリラックスできる関係性を築けていますか?よかったら、振り返ってみてくださいね。

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